2015年2月25日水曜日

2/17 PSG vs Chelsea

CL決勝トーナメント1st leg。アウェイゴールがとれれば、みたいな感じのチェルシーと負傷者続出でいきなりスクランブルのパリ。

PSG 1-1 チェルシー @パルクデプランス
得点者:Ivanovic(36' assist by Cahill)、Cavani(54' assist by Matuidi)

GK:Courtois
DF:Ivanovic,Cahill,Terry,Azpilicueta
MF:Ramires,Matic,Willian(Cuadrado 79'),Cesc(Oscar 83'),Hazard
FW:Costa(Remy 81')

Sub:Cech,Filipe,Zouma,Drogba

結果は上々、内容はパリに軍配かなって試合だった。

CLアウェイ仕様ということでセスクを前に出してラミレスをボランチに起用。CBには経験値を重視しケイヒル。コスタは3週間ぶりの試合。

パリはこんな感じ。再会した方のルイスがアンカー。

前半のチェルシーは見慣れたモウのカップ戦アウェイ仕様。とはいってもバスを止める程重心を下げたわけではなく、守る時は442でブロックを敷きつつ攻める姿勢は見せ続けた。

しかし、パリの守備に手こずり、想定外に攻めあぐねた印象。
パリはイブラを前に残し45のブロックで守るが、前プレはせずにラミレスとマティッチの邪魔をし続けることでビルドアップを阻害。イブラ+1でボランチからの縦パスを遮断、全くスイッチが入らなかった。受け手のアザールとウィリアンは中央に入ってくるとパリの3センターに捕まり、ワイドに逃げるとSBからチェックを受けさらにカバーニとラベッシにパスコースをカットされと起点になれず。こうして両WGが抑えられたのでSBも高い位置で受け手になれず、イヴァノとアスピは組み立て参加型ではないのでサイドは手詰まり。見かねてセスクが下がってくるけど、サイドが潰されたから特に効果的でもなし。こうしてサイドでは低い位置で受けざるをえず、いつもよりSBとWGが絡む位置も後退させられているので相手にも容易く対応されていた。こういうときこそCFWに収めたいけども、そのコスタは3週間ぶりの試合で調子が上がらず全く収まらない。
逆にパリはチェルシーの受け手前3人から奪ってカウンターでチャンスを作っていた。イブラタワー強すぎる。ただ、チェルシーもリスクを冒してまで攻める気はなかったので守れないようなものではなく。いくつかの決定機もクルトワがシャットアウト。このレベルになればGKのファインセーブは1試合に数回あることも前提としていいと思う。

そんな中でも先制したのはチェルシー。セットプレー崩れからJTのクロスをケイヒルがお洒落に流しイヴァノが頭でゴール。FK崩れではあったが、JTケイヒルイヴァノマティッチのハイタワーをボックス内に残してて思わず笑ってしまった。

アウェイゴールを奪って折り返し。これでチェルシーはよりリスクを冒す必要はなく守り抜く方向へシフト出来る。

後半はチェルシーがバスを停める時間、でもこの日は上手く停められなかった。

4バックはペナ幅に、その横にアザールとウィリアン、前にボランチ2人で6-2ともとれる4ー4でブロックを低めに設置。ただ、この日はいくつかの窓を開けていた状態でそこからいい形を作られてしまった。
気になったのは4バックとアザール/ウィリアンの距離の広さ。4バックは全員がペナルティエリアに入る幅でいるのだが、ワイドの二人が大きく張り出してしまって結果そのエリア内のSBとアザール/ウィリアンのギャップを突かれてしまう。さらに、パリのFWの配置も嫌らしいものだった。ペナ幅で守るCBとSBの間にカバーニ/ラベッシを配置することでSBの意識を引き寄せSBをエリア内に固定、そのためチェルシーはサイドの守備を孤立したWGとサポートに来るボランチの2枚で対応せざるをえなかった。
結果、パリは右サイドを執拗についてきたがラベッシ+マトゥイディ+マクスウェルvsウィリアン+ラミレスとなりサイドで数的優位を作るケースがしばしば。さらにラミレスがふらふらするのもあってウィリアンとラミレスでマークの受け渡しがままならない状態が多く、失点シーンもこれを利用された。
逆サイドもカバーニがアスピを引きつけることでアザールの孤立化に成功し、SBとの間のギャップやアザールの裏をVDWに狙わせることでチャンスを作り上げていった。アザールは守備がうまいとはお世辞にも言えず、1人ではこうした状況には対応できない。さらにマトゥイディが右サイドを蹂躙することでラミレスがサイドに出る分、マティッチがより中央を見ていたためアザールにはキャパオーバーな状態だった。また、ヴェラッティはマトゥイディのようにサイドに出て攻撃参加はせず、ルイスと2人で組み立て役だったが、手薄なアザールサイドに飛び出すことで数的優位を局所的に作ることにも成功していた。

失点後はリスクは冒さないことを前提としつつ重心を上げ、隙あらば点を獲りに行く姿勢は見せたがこのクラスの相手がそれで簡単に点をくれるはずもなく。コスタの不調もあってまともなチャンスは全然作れなかった。リスク回避でSBを上げるシーンがほとんどなく、なかなか幅を持たせられない。
対するパリも攻勢を強めるが、チェルシーDF陣の意地が勝る。抜かれてもクルトワがいる。数回のファインセーブはプランの範疇と述べたが、この試合のクルトワはそれを超えていた。ワールドクラスとワールドクラスの競争の中にいる22歳が壁となり立ちはだかった。ここに立つのは自分だと、立ち続けるのだと言わんばかりの好パフォーマンスだった。彼にはその資格がある。

そうしてこのまま試合は終わり。クアドラードを投入したりしたけど、加入後間もない彼にこんな試合で何か期待する方が酷だろう。ビックリ箱みたいなもので、当たればバンザイ、そんな起用。ただ、RSBもできるように守備意識はそれなりに高いのでそうした意味で右サイドを厚くする意図もあったのだとは思う。
チェルシーは内容では負けるもアウェイゴールをゲット。手ごたえを感じつつも負けた感の残るのはむしろパリ側だろう。

やっぱり、個人的に気になったのはラミレス。44でブロックを敷いて引いて守っているのに、なぜか持ち場を放棄してボールホルダーに向かっていくのは意味が分からない。全力で戻ってくるならいいけど、そうじゃないし。この試合でも、セスクがイエローをもらったシーンも彼が出て行って空けたスペースをマトゥイディが利用しようとしたのを防いだ尻拭いだった。しかも、ここ1年フィジカルバトルを嫌う傾向が見られていて、ボールホルダーに向かうのに寄せは軽いという始末。簡単にかわされた結果ピンチを迎えるというシーンはこの試合に限ったことではない。

コスタは3週間ぶりの試合、コンディション低下は避けられなかった。ただ、モウはコスタへの信頼を示すため、そして起用可能時に即起用することで外野(某FA)に何かを訴えたかった面もあるんじゃないかなあ。その前の試合ではドログバが低調なパフォーマンスであったこともあり、収め役としてコスタを起用せざるをえなかったのもあるかな。

4人この試合に向けてトレーニングできてなかったり戦術トレーニングが上手くできてなかったということで、バスを停めると簡単に言えるけどやるのは簡単じゃないんだなと改めて。しっかり停めるにはそれなりの準備がいるんだろうなあ。停めようとしてできないチームもざらにあるし。

というわけで、内容は負けでも結果は上々、去年に比べたらなおよし。この出来でこの結果を持ち帰れるようになったのはチームとしての成長。去年とは違う、もっとやれたという感触。2nd legの時にはコスタの状態も今よりは上がってるだろうし。 勝ち抜こう。

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