2016年7月4日月曜日

データを振り返るチェルシー15/16シーズン

 データ『を』振り返ります。データ『で』振り返るわけじゃないです。15/16シーズンの各種データをまとめただけ。

15/16シーズン成績

プレミアリーグ:10位
UEFAチャンピオンズリーグ:ベスト16
FA杯:ベスト8
キャピタルワンカップ:ベスト16
コミュニティーシールド:準優勝(負け)
UEFAユースリーグ:優勝
FAユースカップ:優勝


表彰

年間最優秀選手:ウィリアン
選手間年間最優秀選手:ウィリアン
年間最優秀若手選手:ルベン・ロフタス=チーク
年間最優秀ゴール:エデン・アザール(ホーム、トッテナム戦)
アカデミー年間最優秀選手:フィカヨ・トモリ
特別表彰:ジョン・テリー(通算700試合出場)

トップチームデビュー

ジェイク・クラーク=ソルター、タミー・エイブラハム、フィカヨ・トモリ


全コンペティション総括

53試合 20勝17敗16分け 91得点67失点 クリーンシート14試合 無得点11試合


<出場試合数> 全53試合
最多:アスピリクエタ、セスク、ウィリアン(49試合)
最少:ジロボジ(1試合)
※ハーフシーズン以上トップチームで過ごした選手を対象

<出場時間> 合計5,117分
最長:アスピリクエタ(4,533分)
最少:ジロボジ(1分)
※ハーフシーズン以上トップチームで過ごした選手を対象

<離脱試合数> 怪我や病気など
最多:ファルカオ(28試合)
次点:クルトワ(18試合)
※表から除外したが、レミーは奥さんの出産立会いのため1試合欠場

<ゲームキャプテン>
テリー(32試合)、イヴァノビッチ(19試合)、ケイヒル(2試合)

<退場>
クルトワ、テリー(2試合)、コスタ、マティッチ(1試合)

<イエロカード>
アスピリクエタ、コスタ、ミケル(9枚)、セスク、イヴァノビッチ(8枚)、マティッチ(7枚)、ウィリアン(5枚)、オスカル、ペドロ、テリー(4枚)、ケイヒル(3枚)、ババ、アザール(2枚)、クルトワ、ファルカオ、ロフタス=チーク、ミアズガ、ラミレス、ズマ(1枚)

最多試合:7枚 vsウェストハム(A)

<サスペンション>
コスタ(7試合)、クルトワ(3試合)、テリー(3試合)、マティッチ(2試合)


得点



<ゴール数> 合計91ゴール
上位3名:コスタ(16)、ウィリアン(11)、オスカル(8,PK2)、ペドロ(8)


<90分あたりのゴール数> PK除く
1位:トラオレ 0.63 2位:コスタ 0.40 3位:レミー 0.38

<ゴールタイプ>
右足:54 左足:20 ヘディング:11

エリア内:73 エリア外:18

流れからのゴール:59
直接FK:9
CKからの得点:9
PK:6
スローインからの得点:4
FKからの得点:2
相手のCKからの得点:1
相手のFKからの得点:1

前半の得点 45   後半の得点 46
 0~15分 14    41~60分 14
 16~30分 11    61~75分 13
 31~45分 13    76~90分 12
 AT
7    AT 7

<ハットトリック>
オスカル(MKドンズ戦)

<PK獲得>
アザール、ウィリアン(2)、コスタ、ロフタス=チーク、マティッチ、パト、トラオレ(1)

<PK成功>
オスカル、セスク(2)、アザール、パト(1)

<PK失敗>
オスカル(2,枠外1セーブ1)、アザール(1,枠外1)

<ポスト>
コスタ、アザール(3)、ペドロ、ズマ(2)、ケイヒル、マティッチ、トラオレ、ウィリアン(1)

<アシスト>
上位3名:ウィリアン(17)、セスク(14)、アザール(11)


<Aids> ゴールに直結したわけではないが重要な役割を果たした数
セスク(12)、コスタ(9)、アザール(8)、オスカル、ペドロ、ラミレス、ウィリアン(4)、アスピリクエタ、ミケル(3)、イヴァノビッチ、ズマ(2)、ケネディ、マティッチ、パト、レミー、テリー(1)


失点

シーズン合計 67失点

<ゴールタイプ>
エリア内から:53 エリア外から:14

流れからの失点:48
CKからの得点:8
FKからの得点:5
PK:3
直接FK:1
スローインからの得点:1
チェルシーのCKからの得点:1

前半の失点  27    後半の失点  40
   0~15分  0       41~60分  13
   16~30分  9       61~75分  9
   31~45分  16       76~90分  17
   AT  2       AT  1

<PK献上>
クルトワ(2)、マティッチ(2)

<PK阻止>
クルトワ:セーブ1(WBA A)、失点1(ワトフォード H)
ベゴヴィッチ:失点2(スウォンジー H、シティ H)

<クリーンシート>
ベゴヴィッチ(8)、クルトワ(6)


BPL各種スタッツ

今までに述べたもの以外のPLにおけるスタッツ

<枠内シュート> 計174本
コスタ(28)、ウィリアン(20)、セスク(19)、オスカル、ペドロ(16)、アザール(14)、イヴァノヴィッチ、マティッチ(8)、トラオレ(6)、アスピリクエタ、ファルカオ、ラミレス、レミー(5)、ケイヒル(4)、ケネディ、ロフタス=チーク(3)、ババ、パト、ズマ(2)、クアドラード(1)

被枠内シュート 176本

<枠外シュート> 計191本
コスタ(28)、ペドロ(21)、ウィリアン(19)、オスカル(16)、セスク(13)、マティッチ、ズマ(12)、アザール(11)、イヴァノビッチ(9)、ケイヒル(8)、ケネディ(7)、ミケル(6)、レミー(5)、ロフタス=チーク、テリー、トラオレ(4)、アスピリクエタ、ファルカオ(3)、ババ、パト、ラミレス(2)、エイブラハム(1)

被枠外シュート 165本

<被シュートブロック> 計166本
ペドロ(21)、オスカル(20)、ウィリアン(19)、コスタ、マティッチ(14)、セスク、イヴァノヴィッチ(13)、アザール(11)、トラオレ(7)、ロフタス=チーク(5)、ケネディ、テリー、ズマ、ファルカオ、ラミレス、レミー(3)、アスピリクエタ、ケイヒル(2)、エイブラハム、ババ、ミケル(1)

<シュートブロック> 計136本
ケイヒル(35)、イヴァノヴィッチ、テリー(18)、アスピリクエタ(14)、マティッチ(12)、ズマ(10)、ミケル(8)、セスク(6)、ババ、コスタ(4)、オスカル(2)、アザール、ミアズガ、ラミレス、トラオレ、ウィリアン(1)

<コーナーキッカー> 計240本
ウィリアン(137)、セスク(68)、ペドロ(16)、オスカル(7)、アザール(6)、ケネディ、マティッチ(2)、コスタ、トラオレ(1)



主な出来事

<クラブ>
・プレミアリーグ連続無敗記録を更新(15試合)
・CL参戦14回目かつ13回目の決勝T進出
・シーズン得点者総数のクラブ記録更新(21名、オウンゴール含む)
・プレミアリーグ得点者総数のクラブ記録更新(20名、オウンゴール含む)
・スタンフォードブリッジ観客動員数7900万人突破(FA杯シティ戦にて)
・ホームでのスパーズ戦無敗継続(29試合、26年間)
・ホームでもユナイテッド戦連続無敗数が10試合に到達
・シーズンオウンゴール数1位(6ゴール、09/10と同数)
・FA杯通算200勝達成(スカンソープ戦にて、総試合数384)

<選手>
ジョン・テリー:700試合出場(歴代3人目)、プレミアリーグ通算300勝達成(歴代4人目)  
ジョン・オビ・ミケル:350試合出場(海外選手歴代3人目)
エデン・アザール:200試合出場、チェルシーでの50ゴール達成
ウィリアン:100試合出場
ネマニャ・マティッチ:100試合出場


代表招集選手

イングランド
A代表:ケイヒル
U21:ベイカー、N.チャロバ、ロフタス=チーク、ソランキ、スウィフト、パーマー
U20:アイナ、コルケット、パーマー
U19:ソランキ、エイブラハム、ブラウン、クラーク=ソルター
U18:J.ダシルバ
U17:J.ダシルバ、T.チャロバ、カミング、マウント、スターリング、テイラー=クロスデイル、トンプソン、ウグボ

ベルギー:クルトワ、アザール、C.ムソンダ(U21)
ボスニア・ヘルツェゴビナ:ベゴヴィッチ
ブラジル:オスカル、ウィリアン、ケネディ(U22,U23)、ピアゾン(U22)
ブルキナファソ:トラオレ
カナダ:トモリ(U20)
コロンビア:ファルカオ、クアドラード
クロアチア:パシャリッチ(U21)、ペリツァ(U21)
チェコ:カラス
デンマーク:クリステンセン(A代表,U21)
エジプト;サラー
フランス:ズマ、ボガ(U19)
ガーナ:ババ、アツ
コートジボワール:アングバン
ジャマイカ:ヘクター
オランダ:ヒンケル、アケ(U21)
ナイジェリア:ミケル、モーゼス、オメルオ
ポーランド:アダムチュク(U19)
スコットランド:サムット、セントクレア(共にU19)
セルビア:イヴァノヴィッチ、マティッチ
スペイン:セスク、コスタ、アスピリクエタ、ペドロ
スウェーデン:シュリッチ(U19)、コリー(U17)
スイス:ミュハイム(U18)
アメリカ:ミアズガ(U23)、スコット(U20)
ウェールス:C.ダシルバ(U17)

合計 63名



2016年7月1日金曜日

パト獲得の正当性とめぐり合せ

出場2試合 プレイ時間139分 1ゴール(PK) 0アシスト

 アレシャンドレ・パトがチェルシーで残した成績である。パトは契約満了により6/30付でチェルシーを退団した。これだけ見れば、何をしに来たのと批判の声が聞かれるのも仕方がない。では、なぜクラブはパト獲得へ動いたのか。その正当性について改めて考える。

ストライカーが足りなかった

 冬の市場を思い返そう。当時のチェルシーは大不振によりCL権獲得の可能性をほぼ喪失、モウリーニョは去りヒディンクが招聘され、チームのプライオリティはリーグ戦からCLとFA杯へと移った。しかしながら、この状況下でヒディンクにとって計算できるFWはディエゴ・コスタのみであった。ファルカオは10月31日の出場を最後にいつ復帰できるかも分からない怪我が続き、レミーも複数回怪我を繰り返しており、トラオレに至ってはモウリーニョの不遇によって当時は戦力とはみなされなかった状況だった。
 そのため、クラブはコスタをCLとFA杯に集中させるためのローテーション要員を緊急に探していた。それも安価で。夏にチームの改革が行われることは必至の状況下で、半年限定のヒディンクにフロントが彼のための選手を獲得する可能性はまずなく、さらに14/15シーズンにおいて£23.1mの赤字を計上したと発表したばかりとあって、巨額の投資をする意思はクラブにはなかった。その中で浮上したのがアレシャンドレ・パトのローンでの獲得だった。
 欧州復帰を目指していたパトの代理人による売込みが大きいが、ローンによって移籍金を抑えることができ、さらに週給も£30k(ファルカオの1/4以下!)とチェルシーにとっては安い賃金で実績あるストライカーを獲得できたわけだ。ブラジルでは47試合15ゴール9アシストを記録し復調も囁かれており、この獲得により怪我がちでサスペンションも多かったコスタをターンオーバーできるとクラブは見込んでいた。しかし、ここから良くも悪くも想定外のイベントが複数起きてしまう。

コンディション問題とトラオレの台頭

 まず、あまりにもパトのコンディションが悪かった。ブラジルでの最後の出場が10月末だったことからある程度期間が必要なことは分かっていたが、初めてベンチに入れたのが3月とあまりに時間がかかりすぎた。そして、その間にパトを取り巻く環境も変化してしまった。
 パトがコンディションを高めている間に、トラオレが台頭したのだ。1/31のMKドンズ戦で途中出場ながら2ゴールを決めたのを皮切りに、一気に居場所を確保した。モウ政権では全く出番に恵まれず計算しづらかった若者がここで一気に戦力化したことで、この時点でパトに用意された”ローテーション要因”の座が揺らいでしまった。もちろん、今後出場した試合で結果を出せていたならばまた変わっていただろうが、ここからさらに状況は悪化する。

CL及びFA杯での敗退

 コンディションが整ったパトは3/1のノリッジ戦で初めてベンチ入りを果たす(なおトラオレは先発し1アシストを記録)。一方で、ほぼ同じタイミングでレミーも怪我から復帰しており、いなかったはずのライバルがコンディションを整えている間にどんどん増えていた。パトにとってさらに状況は悪化したが、それでも限られた出場機会でアピールに成功すればまだ望みはあった。
 しかし、その望みはすぐに砕かれてしまう。直後のCLでPSG相手に敗退、さらに翌戦のFA杯エヴァートン戦でも敗退し、チェルシーに残されたのはリーグ戦ただ1つだけとなってしまったのだ。ここから先の試合はほぼ週に1回。ローテーションの必要もなくなり、エースであるコスタと将来性あるトラオレのみで充分となってしまった。さらに、クラブはタミー・エイブラハムなどのアカデミー生に出場機会を与えることを決断。こうして、ついにパトはアピールする機会までも失ってしまったわけだ。


 以上による結果が、冒頭で述べたパトの成績というわけだ。そして、買取オプションを行使されるはずもなくパトはクラブを去った。

 まず第一に、怪我人続出の緊急状態の中ではあったものの、代理人の売り込みに飛びついたクラブのアセスメント不足は責められるべきだろう。ただ、なぜ獲得したのかという問いには、当時はストライカーがおらず緊急補強が必要だったという答えが存在する。そのうえで、パトが何もできなかった、というのが正しい。コンディション不良の選手を売り込む側にも問題はあるが、選手を売り込むのが代理人の仕事であり移籍した後はもう選手本人の問題だ。もっと言えば、パトを獲得せざるを得ない状況に追い込んだレミーとファルカオにも責任の一端があるだろう。特にファルカオなんて全53試合のうち28試合(!)も戦列を離れていた、とても戦力と言えたもんじゃない。

 パトにとって、すべてのめぐり合せが悪い方向へ向いてしまった。コンディションの悪さというパト自身の問題も大きかったが、パトの依らない部分までもがパトにとって悪い方へと流れた。一言で言えば、持ってなかったなあ、というのが個人的な感想だ。とはいえ、まだ26歳。まだまだチャンスはあるだろうし、もう一花は咲かせてほしいと思う。