クロアチア 2-1 メキシコ @ロサンゼルス
得点者:チョップ(35')、トゥドール(37')
GK:L.カリニッチ
DF:イェドヴァイ、ニジッチ、フィリポヴィッチ、バリシッチ
MF:シュニッチ、シュコリッチ
トゥドール、ヴラシッチ、チョップ(c)
FW:サンティニ
71' トゥドール→コリンゲル
(5-4-1へ移行)
78' シュコリッチ退場
82' サンティニ→カティッチ
(5-4-0へ移行)
92' チョップ→マイェル
71' トゥドール→コリンゲル
(5-4-1へ移行)
78' シュコリッチ退場
82' サンティニ→カティッチ
(5-4-0へ移行)
92' チョップ→マイェル
まずびっくりしたのが、クロアチアは偽A代表だったためメキシコも欧州主要リーグでプレーする選手がいないだろうと思っていたのですが、バリバリの主力が出ていたことです。オチョアやカルロス・ベラ、ドスサントスにチチャリートと普通に有力選手が出ていただけに、そのメキシコ代表に勝ってしまったことがなおのこと驚きでした。
1得点目。イェドヴァイのエリア内へのロングスローに対するメキシコのクリアが中途半端になり、それを拾ったシュニッチが前線へフライスルーパス。抜け出したトゥドールが飛び出してきた相手GKを横目にフリーのチョップへパスを出し、チョップもしっかり決めました。エリア内で、クリア後のメキシコのライン押上げの遅さをついた攻撃で、トゥドールの冷静さが光りました。
2点目は、1点目の直後でした。リスタートのキックオフ直後からハイプレスをしたクロアチアに慌てたCBレジェスがバックパスを中途半端にしてしまい、トゥドールがボールを奪取。飛び出してきたオチョアも交わして無人のゴールへ流し込みました。レジェスのパスミスがありえないものでしたが、最後角度の厳しいところからゴールに流し込んだトゥドールの冷静さがここでも光りました。
失点は、相手右サイドからのフリーキックから。合わせるフリーキックでしたが、飛び出したカリニッチが目測を誤りボールに触ることすらできず。カリニッチの上を通過したボールをチチャリートがファーで合わせ決めました。カリニッチの判断ミスも致命的でしたが、FKを与えたバリシッチのファールもまた悲劇的でした。
試合内容は90分通して低調でした。決まった3ゴールもすべて守備側の大きなミスに起因するもの。前半は、意欲の見えないメキシコと戦術が全く浸透していないクロアチアが、それぞれ個の力の足し算だけで殴り合うプレシーズンマッチのようでした。
しかし、後半はメキシコが危機感を感じたのか前半とは別人のようなプレーで、クロアチアは防戦一方となりました。途中でCBコリンゲルを投入し5バックへ移行するも変わらず攻め立てられ続けましたが、メキシコの最後の部分での雑さとカリニッチのビッグセーブ連発でオープンプレーからの失点はありませんでした。よく耐えたと思います。
とりあえず、メキシコが酷かったです。このクロアチアに主力を出して負けるのはちょっと理解できない。後半途中、監督が怒りのあまり主審に注意されるシーンや、クロアチアの選手が倒れた際に早く立てと複数の選手が詰め寄り一触即発になるなど心証もよくありませんでした。
正直、本物のA代表の新戦力は見つからなかったと思います。ただ、カリニッチに出場機会を与えられたこと、将来のA代表と目されるヴラシッチやトゥドールが代表の雰囲気を知ることができたこと、この辺りは収穫といえるでしょう。
<寸評>
L.カリニッチ
後半はビッグセーブ連発でベルギーリーグ年間最優秀GKに輝いた実力を示したが、失点時の致命的なミスは全く擁護できない。スバシッチとの差は小さくない。
フィリポヴィッチ
空中戦に強いようで、攻守においてセットプレーで競り勝つシーンが多く見られた。ただ、オープンプレーでは前でつぶそうとする傾向が強くラインを崩して裏を取られるシーンも幾度か。
ニジッチ
どこが長所なのか分からなかった。
イェドヴァイ
SBをやる時は連携で崩すタイプだが、ほぼ一緒にやったことがないメンツで連携を求めても酷だった。パッとしなかったが、53分に相手の決定機を1人で落ち着いて防いだシーンは格の違いを見せた。
バリシッチ
クロアチアの左SBといえばヤルニ以来有力選手がおらず穴となり続けているが、彼もまたご多分に漏れず凡庸なLSBだった。失点につながったファールも悲劇的。
シュニッチ
2ボランチのうちで、スペースカバー等守備に重きを置いていた印象。ただ、それが利いていたようにはあまり見えなかった。
シュコリッチ
2ボランチのうち、ボールをさばき展開させる役回りを担っていた印象。それなりにチームを動かしていたが、モドリッチやバデリを知っている側からすれば満足できるものではなかった。また、退場につながったイエローは2枚とも避けられたもので、その点でも褒められる出来でなかった。
トゥドール
1ゴール1アシストで、ゴール前での冷静さは見事。しかし、ゲームを通しての存在感は他の選手と比べても希薄で、数字とパフォーマンスが噛みあっていない出来。
ヴラシッチ
トップ下に入り、ボールを持てばドリブル突破で数人をはがしたり、フリックで相手を窮地に陥れたりとその才能を見せつけた。一方で、ボールを持たないときの動きの引き出しがあまりに少なく今後苦労しそう。
チョップ
可も不可もなく。守備の貢献度も高かったが、この日のチーム内の序列を考えるともう少し存在感を見せてほしかった。
サンティニ
ポストプレイヤーとして頑張っていたが、マンジュキッチやN.カリニッチと異なるアイデンティティを示すことはできなかった。現状は、彼らの”下位互換”。
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