アイスランド 1-0 クロアチア
GK:L.カリニッチ
DF:イェドヴァイ、ロヴレン、ヴィダ、ピヴァリッチ
MF:モドリッチ、バデリ
ペリシッチ、コヴァチッチ、マンジュキッチ
FW:N.カリニッチ
63' N.カリニッチ→ブロゾヴィッチ
(ブロズが右SH、マンジョがトップへ)
88' マンジュキッチ→サンティニ
スバシッチが怪我でこの日のGKはL.カリニッチでした。負傷で呼ばれていないチョルルカのところにはロヴレンが、ラキティッチのところにはコヴァチッチが入りました。
90分通してクロアチアは低調でした。総じて動きは重く、ボールも回らず、連携も拙かったです。加えてアイスランドのアグレッシブなプレスとフィジカルにも悩まされ、よかった点を見出すことがここまで難しい90分も久しぶりだったのではないかと思います。
光ったのはロヴレンとヴィダの両CBの奮闘くらいでした。特にヴィダ。前の選手が簡単にボールを失い、幾度もカウンターを食らう中でそれを懸命に食い止め続けました。
失点は89分でした。CKから簡単に合わされ失点。低調な出来にふさわしい失点だったように思えます。
気になったのは、各列をリンクする役割を担っているバデリとコヴァチッチの二人。バデリは動きが重く、配給面でもミスが目立ち役割を全うしたとは到底言えませんでした。彼の低調さが後ろからのビルドアップを混乱に陥れていたように思います。
もう一人のコヴァチッチはより深刻でした。彼がこの試合で任された役割はラキティッチに変わる”トップ下”であり、中盤と前線をリンクすること。しかし、コヴァチッチは頻繁にボランチの位置まで下がってボールを受けに来ていました。もちろん、ビルドアップの機能不全によりボールが思うように来なかったのはあるでしょうが、このコヴァチッチのポジショニングによって前線は孤立。マンジュキッチとL.カリニッチに有効なボールが入るシーンがほぼ皆無となる結果を招きました。
コヴァチッチは、今シーズンをほぼカゼミロのバックアッパーとして過ごし、おそらくトップ下を務めたのは1年以上ぶりだったように思います。しかし、与えられた役割を全うできないようでは論ずるに値しません。よく言えば、彼の伸びしろといえるのでしょうが。
しかしながら、この試合最も批判されるべきは間違いなくチャチッチ監督でしょう。チームが機能不全に陥ってるにもかかわらず、交代枠を80分までに1枚しか使わず、挙句1枚残すという無能っぷり。カリニッチを下げブロゾヴィッチを入れることでボールの循環を良くすることには成功しましたが、問題はそもそもそこまでボールが入らない後ろにあったのは明白でした。守備面で安定したブラダリッチや、配給・運搬共に秀でたログ、運動量のパシャリッチとカードは揃っていたにもかかわらず、低調なバデリを90分引っ張ったのは理解できません。
また、最後(2枚目)として切ったカードはこの試合が公式戦初出場のFWサンティニ。88分という時間帯に初出場のFWに対して、何が期待できるのでしょうか。そして、失点してからようやくログを用意させましたが、時間は間に合わず。あまりにも無策でした。
この試合の結果、クロアチアはグループ首位を維持も勝ち点では並ばれ、4つ巴の大混戦を招く事態になってしまいました。クロアチアという国は、悲しいことにフーリガニズムとともにあるのが現状であり、常に勝ち点剥奪と隣り合わせです。この試合で落とした勝ち点が後々響いてくるように思えてなりません。
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