2015年8月30日日曜日

DFラインの話

・ジョン・ストーンズ問題

  チェルシーは6月からストーンズ獲得に動いており、4度のオファーを提出。ケイヒルやテリーなど選手やOBなどのコメントによってメディアもフルに利用し、獲得に全力を注いできた。しかし、全てのオファーを断られ、マルティネス監督はSkyの番組でメディア戦略に不満を露わにし、ケンライト会長直々に非売品だと宣言されてしまった。

 では、なぜここまでストーンズに執心なのだろうか。私は、この補強はストーンズでなくてはならないから、だと考える。
 ストーンズ獲得の名目は「JTの後継者」である。 英国産の高水準な能力を備えた有望株、彼を獲得することは、徐々に衰えゆくJTと伸び盛りのストーンズによる世代交代が可能になる。プランBと言われるガライは28歳であり、短期的に見れば選手層を厚くする補強となるが、長期的に見たとき世代交代を意味する補強ではなく問題を先送りするだけだ。さらに言えば、ストーンズクラスのCBが英国から(=ホームグロウンプレイヤーとして)次にいつ出てくるのか、という懸念も生じる。
 総合的に見れば、ストーンズ獲得は様々なニーズを満たす補強であり、多額の移籍金を費やしてでも獲得したい、ストーンズではなくてはならない補強ということになるのだ。

 また、移籍金が高騰する要因として、HG選手である他にバーンズリーが持つ移籍条項がある。ストーンズは2013年にバーンズリーからエヴァートンに移籍したが、この際に「次回移籍金の15%をバーンズリーが得る」という条項が存在すると報じられている。これが事実ならば、エヴァートンが4000万ポンドを得たい場合は約4700万ポンドが必要ということになる。

 ストーンズ本人は元々チェルシーへの移籍に前向きと報じられており、このチャンスを逃すまいとトランスファー・リクエストを提出した。ストーンズ、チェルシー、エヴァートンの3者の思惑が交錯する非常に難しい案件だが、何とか射止めてほしい。


・イヴァノビッチの扱い

 昨シーズンは影のMVPと言えるほどの活躍を見せアンタッチャブルな存在だったイヴァノビッチだが、開幕早々から低調である。開幕から毎試合のように右サイドから失点し、アンタッチャブルから一転、スタメン落ちを求める声を聞くことが少なくない状況だ。

 しかしながら、彼との契約は残り1年である。これが状況を難しくしている。チェルシーは30歳以上の選手に対し長期契約を提示せず、単年契約を提示しそれを毎年更新していく方針をとっている。これは安定を求める選手たちにはウケが悪く、案の定イヴァノビッチも難色を示したそうだ。そこで、チェルシーは副キャプテンというポストを彼に与えることで、目に見える形で彼がクラブに必要だということを示した。
 この状況で、イヴァノビッチをレギュラーから外すことは彼との契約延長交渉が暗礁に乗り上げるというリスクを孕んでいるわけだ。今は低調な出来に終始しているが、CBとRBを高い水準でこなせ、セットプレーで重要なゴールをもたらすこともできるイヴァノビッチが必要な存在なのは間違いない。モウリーニョも彼を高く買っているだけに、難しい舵取りが求められている。

 とりあえず、彼が復調することがチームにとって間違いなくベストなので早くトップフォームを取り戻してほしい。


・DFライン全体を見て

 CBに関しては、JT・ケイヒル・ズマとイヴァノビッチのマルチロールで枚数は揃っているが、JTに陰りがみられてきたこととイヴァノビッチの極めて低調な出来が重なったためにクオリティの面でもう1枚補強したいところ。先述したストーンズがベストだが、ガライでも短期的な問題解決にはなりえる。
 ただ、ズマの存在により競争が激化しているのはポジティブな一面だろう。現チームでポジション争いが存在する数少ない場所であり、競争はチームの活性化に繋がる。
 昨季はこれに若手枠でクリステンセンがいたが、今季はアイナとクラーク=ソルターがトップチーム帯同となっている。彼らはクリステンセンと比べてしまうと落ちる印象であり、戦力としては計算しがたい。やはり、もう1枚加えられるとベストか。

 SBに関しては、右がイヴァノビッチ・アスピリクエタ・ズマ、左がアスピリクエタ・ババ・ズマ・トラオレ。昨季のフィリペを考えれば分かるように、ターンオーバーに乏しいモウリーニョ下では枚数は足りている。ババができる限りチームに早く馴染み、アスピのマルチロールによってイヴァノ・アスピ・ババでの競争に期待したい。ここにRBもできるストーンズが加わればなお良いのだが…。

 そもそも、失点数の問題はDFラインだけに責任はないし、2ボランチのセスクマティッチが非常に酷いことも大きな要因の一つ。ただ、守備組織の改善がすぐにできることはないだろうし、433にするにもアンカータイプはミケルのみ。ガツンと大きな刺激を与えるにはやはり補強ということになるだろう。市場が締まる9月1日までの動きに期待するほかないのが現状か。

2015年8月29日土曜日

クロアチア代表メンバー招集(vsアゼルバイジャン、ノルウェー)

現地時間9/3に行われるアゼルバイジャン戦(EURO2016グループステージ、バクー)、9/6に行われるノルウェー戦(EURO2016グループステージ、オスロ)に向けて、代表メンバー24名が発表されました。

GK
ダニエル・スバシッチ(ASモナコ)
ロヴレ・カリニッチ(ハイドゥク・スプリト)
イヴァン・ヴァルギッチ(リエカ)

DF
ダリヨ・スルナ(シャフタール・ドネツク)
シメ・ヴルサリコ(サッスオーロ)
マルコ・レシュコヴィッチ(リエカ)
ヴェドラン・チョルルカ(ロコモティフ・モスクワ)
デヤン・ロヴレン(リヴァプール)
ドマゴイ・ヴィダ(ディナモ・キエフ)
ダニエル・プラニッチ(パナシナイコス)
マリン・レオヴァッツ(PAOK)

MF
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
イヴァン・ラキティッチ(バルセロナ)
マテオ・コヴァチッチ(レアル・マドリー)
ミラン・バデリ(フィオレンティーナ)
マルセロ・ブロゾヴィッチ(インテル)
ミヨ・ツァクタシュ(ハイドゥク・スプリト) 初召集

FW
マリオ・マンジュキッチ(ユヴェントス)
イヴィチャ・オリッチ(HSV)
イヴァン・ペリシッチ(ヴォルフスブルグ)
アンドレイ・クラマリッチ(レスターシティ)
ニコラ・カリニッチ(フィオレンティーナ)
アンテ・レビッチ(フィオレンティーナ)
マルコ・ピアツァ(ディナモ・ザグレブ)




前回からの変更は、ハイドゥクのツァクタシュがU21からA代表に初召集。負傷していたモドリッチとレシュコヴィッチが復帰。また、シムノヴィッチ(ディナモ・ザグレブ)、シルデンフェルド(ディナモ・ザグレブ)、イェドヴァイ(レヴァークーゼン)、トメチャク(リエカ)、ミリッチ(ハイドゥク・スプリト)、ハリロヴィッチ(スポルティング・ヒホン)、ヤヤロ(パレルモ)、パシャリッチ(ASモナコ)、ログ(ディナモ・ザグレブ)、シャルビーニ(リエカ)、シトゥム(スペツィア)、チョップ(マラガ)あたりが落選となりました。イェドヴァイは怪我の回復が思わしくないようです。

あとは、移籍期間中ということでコヴァチッチやマンジュキッチなど、少なくない数の選手が所属チームが変わっています。


ニコ・コヴァチ監督
「ハリロヴィッチ、パシャリッチ、ログ、シムノヴィッチといった若手はA代表に呼ぶことを考慮されるのに疑いない力を持った選手たちだが、同時に我々はU21代表チームのことも念頭に置かなくてはならない。U21が勝利でスタートすることは重要であり、その経験は選手たちにとっても有益だ。大多数のA代表選手もアンダー世代に大きな貢献を果たしてきた。」

「アゼルバイジャンとノルウェーには我々のホームでいいゲームをしたが、この2勝は忘れる必要がある。今回はより難しいものになる。アゼルバイジャンは同胞のプロシネチュキが新たに監督となり、いいチームを作っている。彼らの結果を見れば分かるだろう。私たちは高い能力を持ち合わせているが、それは我々のアプローチがプロフェッショナルかつ集中されたものでない限り発揮することができないんだ。」

「ノルウェー戦で得られるものを私たちは分かっている。EURO本戦出場は私たちの目標であり、1年前から取り組んできた。今のところは、いい仕事ができていると思うよ。だが、完遂させなくていけないし、今回も今までと変わることなくプレーしなくてはね。いい準備とチームスピリット、全力投球が必要だ。そうすれば、結果がついてくるさ。」

2015年8月12日水曜日

8/8 Chelsea vs Swansea

いつもより早い開幕戦。勝ちなしで臨んだ開幕戦。

チェルシー 2-2 スウォンジー @スタンフォード・ブリッジ
得点者:Oscar(23')、Ayew(29')、O.G.(30')、Gomis(55' PK)

GK:Courtois(退場 52')
DF:Ivanovic,Cahill,Terry,Azpilicueta
MF:Cesc(Zouma 76'),Matic,Willian(Falcao 84'),Oscar(Begovic 54'),Hazard
FW:Costa

Sub:Mikel,Ramires,Moses,Remy

クルトワ退場前までの約50分は、PSMとは一味違う、ちょっぴりの期待を抱かせるものだった。まず、動きの質そのものが違った。試合に向けてきっちりコンディション調整すればこれくらいはやれるのだと、少し安心した。

プレシーズン通して上積みが感じられないと述べてきたが、この試合からはオスカルの存在感にそれを感じることができた。ボールを引き出す動きに、アグレッシブなプレー選択。昨季までのチームのアクセントとなり、ゴールも決めてみせた。

ベゴヴィッチも、いきなり困難な状況でのデビューとなったが素晴らしかった。チームに勝ち点1を齎したのはまさしく彼だった。

クルトワの退場シーンについては、"決定機"かどうか騒がれてるが、あれを決定機阻止と見做さなかったら今以上に問題視されていたのは間違いない。細かいところでの疑問はあったものの、オリバーは終始上手く裁いていたと思う。

クルトワ退場後はスクランブル。かなり難しい試合になってしまった。点を捥ぎ取って欲しかったが、仕上がってないチームに10人で結果出せは少し酷な気もする。

気になったのはセルビア2人組。イヴァノビッチはモンテーロにやられっぱなし。副キャプテンなんだから、プレーでチームを引っ張らないと。

マティッチは前半からサボっていた。寄せない、軽い、戻らない。チェルシー復帰当初のガツガツした姿勢、求められたタスクを確実に遂行する意識、どこにいってしまったのかな。ベンフィカで今のプレーをしていたのなら、再獲得してなかったと思う。競争相手がおらず刺激が足りないのだろうか。残念だ。

期待を抱いただけに、11人の状態で90分見てみたかった。ただ、この期待はあくまでプレーシーズンで期待値が低下したことによる相対的なもの。オスカルはこれをフルシーズン続けられるか。セスクはまた後半戦バテるのか。コスタはどれだけピッチにいてくれるのか。不安は尽きない。

次はこのタイミングでシティ戦、引き分けで御の字だろうか。

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メディカルスタッフの件について。
モウリーニョの言い分は理解できるが、何もメディアを使うことはなかっただろう、と。一方で、ピッチ上の最高権力者はモウリーニョであり、エヴァさんもその意に背いてしまったことは非である。互いが互いをプロとしてリスペクトして、上手くチームワークを保っていられたらよかったのだけど。
ただ、エヴァさんが美人な女医であるとか、人気があるとか、この問題に関係ないところをバックボーンとした意見が散見されたのが残念だった。一面的な視点は怖いと改めて。
もっと上手くやってほしかったけど、大事になってしまった以上、早く収めてクラブとして前を向いてほしい。

2015年8月4日火曜日

8/1 Chelsea vs Arsenal

コミュニティーシールド、負けました。ちなみにCS制したチームがリーグ優勝したのは10/11のユナイテッドが最後みたい。

チェルシー 0-1 アーセナル @ウェンブリー
得点者:A. Oxlade-Chamberlain (24' assist by Walcott)

GK:Courtois
DF:Ivanovic,Cahill,Terry(Moses 82'),Azpilicueta(Zouma 69')
MF:Ramires(Oscar 54'),Matic,Willian,Cesc,Hazard
FW:Remy(Falcao HT)

Sub:Begovic,Mikel,Cuadrado


とりあえず、動きが重かったのは仕方ないところも。アメリカでトレーニングキャンプして帰国は水曜。試合も週2ペースでこのCSが4試合目。それにCSはおろか、開幕でもなくてもっとシーズンの後ろの方にピークが来るようにコンディション調整してるはず。

失点時にチェンバレンにかわされたアスピリクエタなんてその筆頭。23日のNYレッドブルズ戦に90分、26日のPSG戦も90分、29日のバルセロナ戦は62分出場。プレシーズンキャンプに加えて、フィリペがコパと移籍の関係でPSTに帯同しなかったためにレフトバックを3試合ほぼ1人で担当したわけで、そりゃ身体も重かろうと。十分なコンディションならもっとうまくやれたと思った。でも、チェンバレンは上手かったです。

他の選手たちも含めて、個々はこれから仕上がってくれればいいのではという印象。ただ、この敗戦が重く感じるのは、昨シーズンからの積み上げが感じられなかったから。勿論アーセナル相手に負けたこともあるのだけれども。

スタメン選びからそう。PSMで好印象のモーゼスあたりは試して良かったところで、蓋を開けてみれば昨季と変わらず。それも、セスク10番でラミレスをボランチに起用するガチガチ仕様。そこまでするなら、勝たなきゃ。

試合内容も昨季よく見たもの。熟成路線とか言えば聞こえはいいけれど、それで昨季CLはどうなりましたか、と。決定機も、良いクロスをラミレスがクリアしたやつと、アザールがふかしたやつと、オスカルのFKぐらいじゃないだろうか。チェフにもっと仕事をさせたかった。

ということで、全体通して選手たちよりも、移籍市場の動き方から感じていた首脳陣のアプローチへの不安が強まった試合でした。

移籍市場での振る舞いについても、今夏は"ONE IN - ONE OUT"で状況を変えるには獲得と放出がセット。ファルカオとベゴヴィッチはドログバとチェフの後釜。フィリペが抜けたところにはババが来る。他に獲得へ動いてるストーンズも、JTの後釜という位置づけで潜在的なone in-one outということ。

3列目のことがよく言われるし自分でも不満であるけれども、ミケルはモウリーニョの希望で移籍阻止。ラミレスは水面下で契約延長が進んでると言われてきてる。つまり、OUTがない以上は誰も来ない。一方で、ロフタス=チークについてモウリーニョは「たとえ試合に出れなくても、彼の成長にとっては我々とともにいるのがベスト」という姿勢なので、過度な期待はできない。結局は昨季と同じ4人で闘うということで、ここも現状は熟成路線。

モウ3シーズン目、大丈夫かな。

2015年6月9日火曜日

6/7 Croatia vs Gibraltar

クロアチア 4-0 ジブラルタル
得点者:シャルビーニ(7')、コヴァチッチ(15')、マンジュキッチ(53' PK)、クラマリッチ(77')

GK:スバシッチ
DF:ヴルサリコ、イェドヴァイ、レシュコヴィッチ、レオヴァッツ
MF:バデリ(パシャリッチ 65')、ブロゾヴィッチ(ヤヤロ 65')、ピアツァ(ペリシッチ 57')、コヴァチッチ(クラマリッチ HT)、シャルビーニ(レビッチ HT)
FW:マンジュキッチ(カリニッチ 57')

システムは4231。

親善試合、超がつくほどの格下ジブラルタルとの試合でした。ジブラルタルはまだFIFAに加入してないのか、FIFA非公認の親善試合だったみたいです。

CLや国内カップ戦の都合でラキティッチやスルナ、チョルルカなど多くの主力を欠いた中の試合に。キャプテンのスルナと、副キャプテンのモドリッチがいないため、マンジュキッチがキャプテンを務めました。マンジュキッチ交代後のキャプテンはペリシッチに。


コヴァチ監督 試合後会見

「今日見たものは非常によかった、とくに前半はね。多くのチャンスを作ったし、後半も非常にポジティブなものだった。私にとって、親善試合を通して自分の選手を確認することは重要なんだ。長く、タフなシーズンの後だしね。」

「沢山の観客からいいサポートを受けることができたね。試合を楽しんでもらえたと思う。私たちの使命は果たせたかな。」

「(初めてキャプテンを務めた)マンジュキッチは自分のために、そしてチームのために仕事をやり遂げた。ゴールも決めたしね。イタリア戦向けて、彼の力を再び示せたと思うよ。」

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フルマッチがここから見れます(代表公式チャンネル)。国内でテレビ放送がなかったそうで、そのためYoutubeで配信ということになったそうです。

試合については、ジブラルタルとの力の差が大きすぎて一方的でした。裏とり放題だったので、サイドに展開して裏抜けクロス…みたいな形で何度もチャンスを創出。コヴァチッチやカリニッチがちゃんと決めていれば7-0くらいでもおかしくなかったです。

ということで、各選手について思ったことを書くだけにします。

スバシッチ
ほぼ仕事なし。1度処理ミスがあったけど、あれだけ暇な時間があったわけだししょうがない。

ヴルサリコ
オーバーラップとクロスで多くのチャンスを創出。よかった。セリエで自信をつけてきたのか、風格が出てきた。

イェドヴァイ
MoM候補の1人。縦パスをバンバン入れ、試合を作り、チャンスを生み出しまくった。この彼のゲームメイクスキルは本当に凄い。守備でもDFリーダーとして存在感。そして、いつも通りイエローももらいました。

レシュコヴィッチ
可も不可もないが、存在感では年下のイェドヴァイに完敗。

レオヴァッツ
ヴルサリコほどではないものの、クロスで貢献。ただ、飛び抜けたものがないのでこれだとプラニッチやストリニッチには勝てないかな。ちょっと期待外れでした。

バデリ
底でゲームメイク。ヴィオラで復活した彼のおかげで中盤はグッと厚くなった。

ブロゾヴィッチ
MoM候補の一人。攻守に圧倒的な存在感。パス、ドリブル、運動量、オフザボール、ポジショニング、全てで目を見張るものを披露。

シャルビーニ
先制点は良かった。フリーランの精度も上昇していて、いい選手になったなあと。シュートの精度をもっと上げればジョーカーとして大きな期待。

コヴァチッチ
躍動はしていたものの、シュート外しすぎ。前半でハットトリックも十分にできたはず。基本的には良かったのに、シュート外しすぎで不貞腐れるソーンも。

ピアツァ
抜群のスピードで裏をとりまくり、決定機を多く作った。かつての足が速いだけの若手の姿はそこにはなかった。それだけに、ゴールが欲しかったかな。

マンジュキッチ
PKは疑惑の判定かな。プレー自体はあまり良くはなかったものの、2列目は合わせてプレーする機会が少ない選手ばかりだし仕方ないか。初キャプテン、お疲れ様でした。

レビッチ
個では魅せるも、チームの中で見ると微妙。停滞してしまっている。

クラマリッチ
ゴールは流石。疲れてるのか、キレがなかった。

カリニッチ
あへあへオフサイドマン。オフサイドを逃れた決定機で2つともGKにぶつけたのはいただけない。このままだと次はなさそう。

ペリシッチ
後半の攻撃はほとんど彼から。たぶん、抜いてプレーしてたと思う(小声)

パシャリッチ・ヤヤロ
ブロズ・バデリコンビと比べると明らかに力不足。展開力が落ち攻撃が停滞、守備でもフィルターとして機能しきれず。もうちょっといいプレーが見たかった。


前半、フルタイムのスタッツ












2015年5月28日木曜日

チェルシーの育成について考えてみた。 Vol.2

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 Vol.1では選手育成を行う上での環境面の難しさについて述べた。だが、そもそもチェルシーは「育てないクラブ」なのだろうか。
 チェルシーの育成部門はここ数年、確実に成果を上げている。U21プレミアリーグでは現行のシステムとなった13/14シーズンで優勝、今季も優勝争いを繰り広げた。FAユースカップでも09/10、13/14、14/15シーズンで優勝しただけでなく、決勝進出は4シーズン連続、準決勝進出となれば6シーズン連続だ。国内だけでなく、13/14から導入されたUEFAユースリーグにおいても、初年度はベスト8、14/15シーズンでは優勝と欧州の舞台でも目に見える結果を出している。
 この中で特筆すべきは、FAYCにおける成績の継続性だ。世代が変わってもしっかり結果を残していることは、組織として育成がうまく行われていることを証明している。
 さらに、テレグラフによる The top 35 hottest prospects in English football という特集ではチェルシーから最多の5人が選出された。また、最新(5/25時点)の世代別イングランド代表に関しても、チェルシーからは計19人と最多の招集人数を誇る。
 
CFC
MCFC
MUFC
AFC
THFC
LFC
U21(5/20)
3
0
1
2
4
0
U20(3/20)
2
0
0
1
0
0
U19(3/17)
4
4
0
0
1
0
U18(3/18)
3
1
0
1
3
1
U17(4/23)
2
0
0
2
1
2
U16(3/13)
5
2
0
3
3
0
Total
19
7
1
9
12
3
表:主要クラブにおける最新の育成年代の招集人数

 ただ、この数字はあくまで現所属の人数であり、○○ユース出身といった情報が反映されないことは留意されたい。とはいえ、チェルシーは外から青田買いばかりしているのかと問われれば、答えは否だ。優勝したUEFAユースリーグ決勝のスタメンでは、5人が生え抜き、さらに8人がU13からチェルシーに所属している。中でもEngland Youth Player of the Year に今シーズン選ばれたFWドミニク・ソランキや、来シーズンからトップチーム昇格が決まったMFルベン・ロフタス=チークの2人に至っては、共にU8からチェルシーでプレーする選手だ。

 こうして見ると、チェルシーは育成部門にもしっかりと力を注ぎ、それが結果にも表れてきていると分かる。「チェルシーは育てないクラブ」というのは、限定的な知識のみで形成された誤った印象論にすぎない。むしろ、取り沙汰されるべき問題は、育成された若手や将来を買われチェルシーに移籍した若手がトップチームに反映されないということなのだ。


 では、なぜこうしたアカデミーの素晴らしい成果がトップチームのスカッドに反映されないのだろうか。ビッグクラブとしての立ち振る舞いやチェルシーのトップチームが求める水準など、いくつかの理由はVol.1でも述べたが、ここでは異なる視点で考える。
 それは、イングランドにおけるBチームのあり方についてだ。現時点ではU21のチームがこれに該当するのだが、問題はU21プレミアリーグという独立したコンペティションに属しているということである。現行のシステムでは昇降格も存在し、真っ当なリーグ戦が構成されているように見えるが、世代で区切ることで対戦相手は似たようなレベルの選手ばかりとなり(調整という名目でビクトール・バルデス、ロビン・ファン・ペルシー、ラダメル・ファルカオを同時に並べてくるとんでもないチームもあるのだが)、大差のない選手間またはクラブ間での争いになってしまう。
 これに対して、スペインではレアルマドリー・カスティージャやバルセロナBのように、Bチームが2部や3部といったリーグ戦の中で切磋琢磨している。オランダでも試験的にアヤックス、PSV、トゥエンテの3クラブがBチームを2部リーグに参加させている。イングランドで言えば、Bチームがチャンピオンシップやリーグ1に所属していることになるわけだ。下部リーグとはいえ、所属する選手はそれぞれ育成年代を勝ち抜けた選手や実力を請われた外国人であり、大差ない選手ばかりで構成されたリーグとはまるで環境が異なる。加えて、その環境の中でクラブの命運がかかった昇格降格が伴うシーズンを過ごすわけだ。得られる経験値には目に見えて差が出るだろう。だ。
 実際、レンタルで下部リーグへ武者修行に出ている選手は口をそろえて「ユースカテゴリーとシニアの試合は全くの別物だ」と言っている。シニアの世界では、そのクラブの存在が生活に組み込まれたサポーターが存在する。クラブだけではなく、選手たちにとっても1試合、1プレーがそのままサラリーや契約という形で自らの生活に直結する。フットボールをするということの1選手にとっての重みがまるで違うのだ。
 さらに、2部や3部にBチームが所属することで、経験を積ませる目的でのレンタルを避けられるというメリットもある。チェルシーでは昨シーズンU21の主力だったルイス・ベイカーやジョン・スウィフトなどが今シーズン下部リーグにレンタルされているが、これが不要になる。このことが生み出す利益は多い。レンタルには借り手のクラブの事情により、出場機会が確保できないリスクが存在する。例えば、トーマシュ・カラスは今季前半戦はケルンにレンタルされたが全く出番が与えられず、2部のミドルズブラへ再レンタルとなった。Bチームが下部リーグに所属していれば、こうしたリスクや失敗を回避できるうえに、出場機会の調整も自分たちで行えるわけだ。また、選手の視察も容易になる。トップチームの試合がない日ならば監督がホームスタジアムに行くだけで目当ての選手の視察が可能だ。さらには、ホームグロウンの面でも非常に大きな意味を持つ。Bチーム所属ということは当たり前だがチェルシー所属ということであり、その間にホームグロウンステータスを獲得できる。CLや新ホームグロウンルールで重要となるクラブ育成枠(21歳までに3年以上そのクラブに所属した選手)にも自然に該当するようになる。チェルシーやマンシティが登録枠で頭を悩ます一方で、毎シーズン同様に莫大な資金で補強を繰り返すレアルマドリーがCLのクラブ育成枠で苦労しないのもカスティージャの存在のおかげだ。
 FAは育成を重視するのならば、早急にBチームを下部リーグに参加させるべきであろう。チャンピオンシップをはじめとする下部リーグにも歴史はあり、色々と障壁はあるのは間違いない。しかしながら、現行のU21プレミアリーグでは限界を感じざるをえない。

 さて、若手選手とクラブの未来を考えた時、チェルシーが目指すものは何であろうか。有望な若手を多くトップチームに定着させることはもちろん重要だ。しかし、まず我々に求められるのはタイトルだ。今シーズンはFA杯で呆れるほど不甲斐ない敗北を喫したが、COCとリーグの2冠を達成し国内では成功したシーズンだったと言えるだろう。だが、CLではベスト16で敗退しただけでなく試合の内容もお粗末という、不満の残るシーズンだった。来季以降は国内での強さを維持しつつCLで結果を残せるスカッドを構築しなくてはならない。
 そのために求められるのは、現有戦力の上積みだ。選手層が薄いと言われてきた原因はサブメンバーの質の欠乏であり、レギュラーの選手に刺激を与えられる選手が必要なのだ。ボランチではミケルとラミレスが圧倒的にクオリティが足りず、ストライカーではレミーは必要な場面で負傷離脱を繰り返し、ドログバも退団を表明した。他にもクアドラードは冬加入ということを差し引いてもいいところがまるでない。モウリーニョは今季のスカッドを気に入っており誰も放出したくないと言うが、そこに待つのはマンネリだ。彼がレアルマドリーで3年目に失敗した要因の1つが、上積みが3年間で実質ほぼモドリッチのみだったことによる停滞感であることを忘れてはならない。
 この状況下で今後若手がトップチームに割って入るには、上積みとなるレベルの選手になるしかないのだ。そう見なされなかった選手がローン、または売却されるのは残念だが仕方がない。したがって、アカデミーの選手がトップチームに定着するには、ユースチームを卒業した段階でトップチームに通用する実力まで到達するか、ローンでの修行を経て実力を示して戻ってくるしかないだろう。
 ローンでの武者修行を経てトップチーム定着を果たしたのは、現時点でクルトワとズマの2人のみだ。分母の大きさに対してこの少なさには批判もあるが、それほどトップチームに求められるレベルが高いということを示している。加えて、トップチームに還元されなかった選手も売却することでクラブの財政に貢献させたり、獲得したい選手の交渉に組み込みコストダウンさせたりすることも可能だ。チェルシーのローン戦略はこの財政的なメリットが非常に大きく、国内外でビジネスとして称賛、推奨する声も挙がっている。このローン商法に異議を唱える声もよく聞かれるが、断片的な知識による的外れな批判ばかりなので聞き流していればいい。
 もっと言えば、実力が足りずチェルシーと別れを告げることになったとしても、他のクラブで潜在能力を開花させた時に必要ならば再び買い戻せばいいだけだ。マティッチの再獲得がいい例だろう。再獲得のために高額のコストがかかったとしても、必要な補強であれば躊躇う必要などない。「今」を優先してその選手を放出したのと同じように、「今」を優先して再獲得すればいい。相手がレアルマドリーやバルセロナ、PSGでない限りは、チェルシーには再獲得が可能なだけの財力があるのだから。これもまた、チェルシーの強みなのだ。

 長くなったが、結論に入ろう。チェルシーは選手を育てている。これが紛れもない事実だ。しかしながら、最優先すべきはトップチームであり、チェルシーにとって育成とはあくまでトップチームの強化のための一つの手段に過ぎないのだ。チェルシーは育てて勝つクラブではない。勝つために、育成にも力を注ぎつつ、資金力やローンなどフルに活用することで補強と育成を同時に行う。そこで得られたものの中から、その時点での最適解をトップチームに反映させる。これがチェルシーのやり方なのだ。将来的には新ホームグロウン制度などにより育成により比重を置く必要が出るだろうが、その時はその時で同様に最適解を見つければいいだけの話である。
 全てを追い求めても、その全てが得られることはまずない。だからこそ、優先順位を付け、最も重要なものは何なのか、それを見失ってはならないのだ。選手を中心にして考えれば感情的な意見が出てもおかしくないが、あくまで優先されるのはクラブということを忘れてはならない。

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 結論を述べた上で最後に、私自身の希望を少し。モウリーニョは遠くないうちに契約延長にサインする。今の彼はチェルシーの現在だけではなく未来をも見てくれている。私がそう感じたいだけなのかもしれないが。例えば、2014年の夏には "I have this feeling that our academy is bringing players to our level."  述べており"My conscience tells me that if, for example, Baker, Brown, and Solanke are not national team players in a few years, I should blame myself." とも述べている昨シーズンのリヴァプール戦、白旗だとか2軍だとか言われ放題の11人で臨んだ試合では、Timesのオリバー・ケイは「理由が何であれ、チェルシーの監督が若手を抜擢すること自体さえ新鮮に思える。この数年ありえなかったことだ。」と語った。そのチェルシーでモウリーニョは、カラスやアケ、ベイカー、ロフタス=チーク、ブラウンらに少ないながらチャンスは与えた。普段の練習にはソランキやチャーリー・コルケット、ジェイ・ダシルバ、カイル・スコットなど少なくないユースの選手を参加させている。ファンに愛されるモウリーニョが長期政権の実現に成功すれば、今とは異なる、もう一歩進んだチェルシーが見られるのではないだろうか。淡い希望であることを自分で認めながらも、私はそう夢見ている。

チェルシーの育成について考えてみた。 Vol.1

 多くの意見が聞かれるチェルシーの育成問題について、一度自分なりにまとめようと思う。そこで、まずはチェルシーが若手育成を行う上で前提となる環境面について考えた。
 はじめに大きな枠組みで、つまりプレミアリーグ全体を見る必要がある。プレミアリーグでは、下位クラブであっても相当の資金力を持っている。例えば、今シーズンの冬の市場開幕時点で最下位に沈んでいたレスターは、チェルシーやユベントスとマネーゲームを繰り広げた末に1200万ユーロ+オプションでFWアンドレイ・クラマリッチを獲得した。10シーズンぶりにプレミアに昇格したクラブでさえも、ビッグクラブ相手にマネーゲームを繰り広げ、強豪相手に勝利を収める資金力が存在するのである。
 つまり、プレミアでは勝つためにほぼ全クラブが不自由なく補強を行える、ということだ。プレミアリーグには莫大な放映権収入があり、最下位のクラブであっても相当額の金額が分配されるなど、潤沢な収入源が確保されている。そのため、スカウト網やユースを活かし若手を安く仕入れ育てて高く売るというような方法を、プレミアリーグのクラブは採用する必要がない。ビッグクラブだけでなく下位クラブまでが、選手の成長を待たず、即戦力を必要なタイミングで獲得できるわけだ。
 さらに、プレミアリーグでは結果を出せなくては即座に監督のクビが飛ぶ。先述したバブリーな放映権料に各クラブは是が非でもしがみつきたいからだ。降格なんてもってのほか、少しでも上の順位でより高額の収入を得るために負けは許されない。加えて、CL出場を果たせばさらに高額の収入が得られるため、この傾向はビッグクラブにではより顕著となる。そのため、監督は目の前の試合に勝つことを優先せざるをえず、未来を見据え若手を登用する余裕などない。自らの立場を守るためには、潜在能力ではなくその時点で最も実力がある選手11人を毎試合選び、脆弱なポジションがあるならその資金力で即戦力を買う必要があるのだ。要するに、勝つために求められるのはロメウ・ルカクではなくジエゴ・コスタであり、ヨン・グイデッティではなくウィルフレッド・ボニーだったということだ。逆に言えば、ビッグクラブであろうとするのならばライアン・メイソンで満足するのではなくモルガン・シュナイデルランを獲得すべきであったはずである。
 また、監督が変わってしまえば、当然トップチームのコンセプトやスタイルも変わるということだ。頻繁にチームのスタイルが変わり得る状況下では、若手の育成をすることはさらに困難となる。有望株の抜擢はあくまで将来を見越したものであり、短くない期間の我慢を強いられるだろう。しかしながら、目先の勝利を優先したチーム作りをしたにも関わらず、要求を満たす結果に至らずに解任されることがままあるのが現状だ。この上でさらに若手の育成など、求める方が酷というものではないだろうか。若手の育成は、結果が出ずとも支えてもらえる盤石な体制が不可欠であり、必然的に短期政権では不可能なのである。
 結果が出なかった場合には、若手選手自身も現時点での実力不足を槍玉に挙げられ批判に晒されるだろう。そのような状況下で、ファンは未来を見越して我慢ができるだろうか。「ワールドクラスを買え」、「金があるなら使え」、と言わずにいれるだろうか。仮にファンは我慢できたとしよう、フロントは我慢できないはずだ。現状、結果を第一とせず若手の育成にも重きを置くことが可能な人物は、アーセン・ヴェンゲルただ一人である。
 プレミアでは、有望な若手よりも即戦力を優先して起用し、力不足と判断するやいなや新戦力を獲得することは避けられないことなのだ。ましてやビッグクラブであればよりその傾向が強くなる。そんなプレミアのビッグクラブで若い選手が生き残るには、メイソンやエリアキム・マンガラ、ラヒーム・スターリングらのように監督が我慢を重ね使い続けるか、デ・ヘアやエデン・アザール、ティボー・クルトワといった既に突出した実力を持つ選手であるか、アーセナルの選手であるか、このいずれかでしかないのだ。

 次に、チェルシーでの話に移ろう。このように若手の育成が難しいプレミアの中で、チェルシーはそれが特に顕著なクラブである。常勝を宿命付けられたクラブであり、そんな今のチェルシーのトップチームが求める選手というのは、「タイトル獲得に貢献できる」選手だ。加えて、今の監督はジョゼ・モウリーニョ。毎試合勝つための11人を、時には負けないことを最優先した11人を選ぶため、小規模なスカッドを好み、いわゆる少数精鋭でシーズンを戦う。さらに、クラブも潤沢な資金と卓越したスカウト網、交渉力を活かしワールドクラスの選手を常に供給する。
 この中で若手が生き残るには、少数精鋭のスカッドの中で存在感を発揮できる程の実力を既に持つ選手でなくてはならない。現在ではなく未来を買われた選手の居場所を作ることはできないのだ。潜在能力は認められつつもタイトル獲得には力不足と判断された選手たちは、他クラブへローンとなるか放出されるしかないのである。ロメウ・ルカクは「フェルナンド・トーレスとデンバ・バがいるからもう1年ローンで経験を積ませて欲しいと言った結果、戻ってきたらジエゴ・コスタとディディエ・ドログバになっていた。」と言ったが、この発言はチェルシーというクラブを如実に表している。 
 さらに、モウリーニョは「チームのために働ける」選手を重用する。モウリーニョは、チェルシーのために働けないのならアザールであっても放出する、と明言しているほどだ。チームこそが最優先されるものであり、いくら実力や潜在能力があったとしてもチームよりも自分を優先する選手に、モウリーニョは居場所を与えることはない。ポジションは保障されるものではなく実力で勝ち取るものであり、そこで生まれる競争がチーム全体のレベルアップにもつながる。そのため、ルカクやデ・ブライネのように若手が出場機会を求めるのは理解できるが、チームに彼らの居場所が優先的に作られることはないのだ。それに不満を持ち、競争を避け自分を優先した選手は、チームを去るしかない。
 モウリーニョは今のスカッドを若いチームとよく言うが、これはいわゆる若手有望株を指すものではない。アザール、オスカル、クルトワ、クルト・ズマといった若い選手たちは戦力たりうると認められ、ハイレベルな競争に挑み、結果を出してきた選手だ。その証拠に、彼らが今シーズンの2冠に貢献しなかった、と言う人はいないだろう。彼らは皆、チェルシーのタイトル獲得に貢献できる実力を持っている選手たちなのだ。
 また、モウリーニョは自身のスカッド編成について、"I cannot have a squad of 10 men and 10 kids. I must have a squad like we have now of 16 or 17 seniors and three or four kids."言っている。今シーズンで言えば、kids に該当する選手はネイザン・アケ、ルベン・ロフタス=チーク、アンドレアス・クリステンセン、イザイア・ブラウンのことだ。後半戦から3rd GKを務めるジャマル・ブラックマンやルイス・ベイカー、ドミニク・ソランキも限定的だが含まれていいだろう。
 だが、リーグ優勝を決めたクリスタル・パレス戦までの全コンペティションを通して、この7人の出場試合数は9試合(アケ4、RLC2、クリステンセン2、ソランキ1)、時間にして428分に限られてしまっている。つまり、これらの選手(= kids )はトップチームに帯同はしていても、戦力としては考えにくいというのが実際のところなのだ。彼らよりも優れた選手(= seniors )がいる以上、彼らが起用されるチャンスは僅かなのものになってしまうのである。 kids のトップチーム帯同は、ローンに出すことで得られるものよりも、seniors と共に過ごすことで得られるものを優先した結果なのだ。

 プレミアリーグにおいて、そのビッグクラブであるチェルシーにおいて、若手育成はこれほど難しいものなのだ。若手を育てるということにおいて、若手をトップチームのスカッドに置くことと起用することは全く異なる意味合いを持つ。成長のためには出場機会が必要であり、トップリーグであればなお良い。だが、プレミアリーグではその特性上、若手育成の優先度はどうしても落ちてしまう。さらに今のチェルシーでは出場機会を保障することは到底不可能と言わざるを得ない。試合に出場したいのなら、競争に挑み結果を出し、信頼を勝ち取るしかないのである。だからこそ、将来性はあれど実力の劣る若手をスカッドに置けというならまだしも、もっと使え試合に出せ、などというのは全くの見当違いであり本末転倒になりかねないのだ。

 長々とかかってしまったが、まずはここの部分を整理しなければ育成の話はできないと感じたためだ。Vol.2では、チェルシーの育成の現状や今後について考える。