夏は"登録枠"という観点から考えてみましたが、冬はシーズン中であるためより総合的に考える必要があります。そのため、特に観点の制限は行わないことにします。
とりあえず、まずは現有スカッドを各ポジションごとに見直します。選手の順番は自分なりにチーム内の序列を表したつもりです。本来のポジションでない選手には括弧をつけました。
▼GK
クルトワ、チェフ、シュウォーツァー
盤石な3人。チェフは冬には移籍しないはず、してもCL出れないし。シュウォーツァーにレスター移籍の噂があり。移籍した場合はブラックマンのレンタルバックかビーニーの昇格。
▼CB
テリー、ケイヒル、(イヴァノビッチ)、ズマ、クリステンセン、(アケ)、チャロバ
イヴァノビッチがもうRBメインなのを考えると実質3人。スパーズ戦の敗戦を顧みるとケイヒルを脅かす(=危機感を持たせる)レベルの選手を獲得したいが、ズマの台頭に期待した方が現実的。
▼SB
右:イヴァノビッチ、アスピリクエタ、(ズマ)、(クリステンセン)
左:(アスピリクエタ)、フィリペ、アケ
左右合わせてトップレベルがイヴァノ、アスピ、フィリペの3枚は薄く、アスピとイヴァノは他ポジションも兼任。負傷者が出たら、と不安になる。
▼CMF
マティッチ、セスク、ミケル、ラミレス、(アケ)、ロフタス=チーク、(クリステンセン)
昨春からラミレスのパフォーマンス低下がひどい。ミケルも過去シーズンよりは上々もセインツ、シティといった強豪との試合では物足りなさを露呈。ぜひ補強したい。ラミレスにはアンチェロッティがかねてから熱視線。
▼WG
右:ウィリアン、シュールレ、(ラミレス)、サラー、レミー
左:アザール、(シュールレ)、(サラー)
出番のないサラーにはローンでの放出の噂。シュールレもこのままパフォーマンスの低下が続けば放出も否定できず。ここはまず放出ありき。仮に放出があればワールドクラス獲得を。
▼AMF
オスカル、(セスク)、(ウィリアン)、(アザール)、ベイカー
オスカルと主にセスクのターンオーバーで現状はやりくり。補強の優先度は低い、というかもっとベイカーに出番をあげてほしい。
▼ST
コスタ、ドログバ、レミー、ソランキ、ブラウン、(シュールレ)
ドログバが2ndストライカーの枠を奪取し、レミーは怪我もあってなかなか出番に恵まれないような状況で、補強は長期離脱者が出た場合のみか。現在、クラマリッチ(リエカ)の獲得交渉中も今シーズン末まではローンの予定。
ということで、ここから個人的に補強すべきかなと思うポジションをピックアップすると…。
1.CMF
マティッチ、セスクレベルとは言わなくてもローテーションで明らかにレベルが落ちない様な質の高いボランチを。守備能力が高い選手がいいです。
2.CB
獲得するなら即戦力。我が儘言うならレフティを…。
3.SB
できればイヴァノ・アスピ共に他ポジション兼任のライトバック。層を厚くしたい。2で挙げたCBも兼ねることができる選手が理想。
4.RSH
サラー、ラミレス、(シュールレ)と放出の噂が尽きないので。モウ好みでレフティがいいかな?
さて、冬の移籍を考える上で私が注目したい点は以下の6つです。
①過去の傾向
②現有スカッドの選手層
③市場の状況
④登録枠・ホームグロウン
⑤カップタイドの有無
⑥年齢、国籍
各ポジションについて考える前に、まずはスカッド全体で考えてみます。
①の過去の傾向について。まず過去5シーズンのチェルシーの冬の獲得選手を振り返ります。
13-14:マティッチ(€25m)、サラー(€13.25m)、ズマ(€15m、夏までサンテティエンヌにローンバック)、パシャリッチ(€3m、夏までハイドゥク・スプリトにローンバック)
12-13:バ(€8.5m)
11-12:ケイヒル(€8.5m)、デブライネ(€8m、ゲンクへ夏までローンバック)、バンフォード(€2m)
10-11:トーレス(€60m)、ルイス(€25m+マティッチ)、カラス(€600k)
09-10:なし
以上より、冬は即戦力がメインで若手は将来(薄字の選手)への投資のみ、特に直近3年に至ってはごく少数の即戦力のみです。つまり、冬は即戦力が来る、ということ。夏で言うファン・ヒンケルのような将来性も見込んだ補強は可能性が非常に低く、有望株を獲得したとしても即座にトップチームに加わることはないと言えます。
また、④について、チェルシーは現時点で登録枠に空きがない状況です。そのため、基本的に獲得を行うにはまずは放出が必要な状況です。逆に言えば、前述したポジション以外でも、放出を行ったポジションは全て補強の必要性が生じるということです。放出なしで現有スカッドを厚くするならば、20歳以下の選手を獲得するか、ホームグロウンに該当する選手を獲得しなければなりません。
(この辺の詳細は右を参照→ http://tri-blues.blogspot.tw/2014/09/part4.html)
さらに、冬において重要視したいのは⑤の部分。カップタイドというのはカップ戦の出場制限のことで、前のチームでそのシーズン中にカップ戦(FA杯、COC、CL)に出場していたら移籍後のチームでは出場できない、というものです。例を挙げれば、12-13シーズンのデンバ・バ(ニューカッスルでELに出場済)や13-14シーズンのマティッチ(ベンフィカでCLに出場済)が移籍後カップタイドとなっていました。当時のデンバ・バのように必要に迫られた状況での補強ならばカップタイドに構ってなどいられないですが、マティッチがCL起用できたらと昨シーズン多くのチェルシーサポーターが感じたはずです。やはりCLのことを考えるとCL決勝トーナメントで起用可能な選手を補強したいものです。
では、この辺のことを念頭に置きつつ、各ポジションについて今挙がっているゴシップ等を参考に考えてみます。
1. CMF
格下相手ならともかくビッグマッチでミケル、ラミレスを起用するのは正直怖いです(ラミレスに至ってはボランチとして不適格)。セスクの守備性能を考えるとビッグマッチで守備的なアプローチを採用する際にマティッチと組ませられるような、ある程度の配球能力(組み立てとは言わずとも散らせるくらいには)とフィルター能力を備えたハイレベルな選手を確保したいところです。
かねてから私が推しているのはシュナイデルラン(サウサンプトン)。私が彼を推す理由はハイレベルなタックルと高いパス精度、プレミア経験者でホームグロウン該当選手、CLで起用可能、の3点。年齢的にも25歳とステップアップには適齢であり、昨夏の経緯からも移籍可能性は決して低くないでしょう。
他に市場に出ている選手を挙げれば、キャバイェ(PSG)、ケディラ(レアル・マドリー)、アサモア(ユヴェントス)、グスタヴォ(ヴォルフスブルグ)、ジョアン・モウチーニョ(モナコ)、ヴィツェル(ゼニト)、ウィリアム・カルバーリョ(スポルティング)、コンドグビア(モナコ)あたり。ただ、こういった市場にいるハイクオリティの選手は当然ながらCL出場クラブに多く所属しているため、カップタイドとなる選手が多くなります。
あとは、ファン・ヒンケルのローンバックは十分にあり得ます。登録枠の都合でミランにレンタルされていましたが、怪我怪我アンド怪我で出場機会を得られておらず、ローンバックの可能性が報道されています。再びローンとなる可能性も大きいですが、経緯を考えると登録枠が空けば彼で補填することも考えられるでしょう。質の面でちょっと物足りなさはありますが。
ここで、前述した①の観点から考えると、インビュラ(マルセイユ)の今冬での獲得は個人的には可能性が薄いと考えました。やはり今季からレギュラーに定着した22歳の若手を冬に獲得するのはリスキーと考えます、CLでもカップタイドですし。獲るなら来夏だと思っています。ですが、チェルシーが獲得に動いているのは間違いなく、彼の父親がチェルシーからの接触について仏メディアに言及しています。
また、ラミレスについてはアンチェロッティ(レアル・マドリー)が継続的に熱視線を送っておりケディラやイジャラメンディの去就次第では獲得に乗り出しても不思議ではありません。事実、昨夏でもマドリーはラミレス獲得に動いています。質だけではなく、枚数の面でもハイクオリティのボランチ補強は必要と考えます。
2.CB
まず、CB市場は枯渇しているということ。バーゲンなのはナスタシッチ(マンシティ)ですが、シティがライバルのチェルシーに売るはずもなく。チェルシーファンの多くが望むのはヴァラン(レアル・マドリー)ですが、マドリーにおける重要な戦力でありかつ2014年9月に2020年まで契約延長をした選手が獲れる可能性は限りなくゼロに近いです。ストーンズ(エヴァートン)もイングランド期待のCBで魅力的ですが2014年8月に2019年までの契約延長を行っています。
即戦力ということでプレミアリーグ経験者、さらにホームグロウン、非カップタイドとなるともうショウクロス(ストーク)くらいでしょうか。ただ、JT&ケイヒルにCLを優先させ新戦力はBPLをメインに起用すれば、カップタイドは考慮する必要はないか。
他には、ミングス(イプスウィッチ)という話が。ただ、個人的にはやはり①の部分で無いかな?と思ってしまいます。それにミングスはLBが主戦場らしい。
結局、ズマの台頭を待つのが現実的。ズマを起用することでケイヒルを刺激出来たらさらに良し。カラスのローンバックについては否定的で、やっぱり彼には出場機会を与えてあげたいです。
3. SB
左にフィリペ、アケがいることを考えると、イヴァノ、アスピ共に他ポジションを兼ねるRBの層を厚くしたいところです。
ただ、サブ要因の獲得で登録枠を割くのには積極的になれませんし、ボランチなどを優先させたいでしょう。となるとホームグロウンで、CBも兼ねられるユーティリティプレイヤーが最適。CBとSBを兼任した選手が控えにいるのは心強いです。
ただ、この条件に当てはまるのはストーンズくらい。願望はさておいて、HGとなるとやはり難しいですね。他にはマイカー・リチャーズ(フィオレンティーナ)とかも候補に。
噂に上がっているのはコールマン(エヴァートン)ですね。ただ、イヴァノ、アスピがいる中で彼クラスの選手をさらに獲得するのは非現実的。
4.RWG
まずは放出ありき。おそらくサラー。そこに既存の戦力と競えるような新戦力を加えたいです。強く噂されているのは、タリスカ(ベンフィカ)。モウリーニョも労働許可の問題がなければ獲得したかった、と発言済み。タリスカはCLカップタイドですが、20歳であるため今季BPLに登録なしで起用できるメリットがあります。
一方で、ピアゾンやトルガン・アザールあたりのローンバックは非現実的。ブンデスであれだけの成績を残したデ・ブライネがチェルシーでどうだったかは記憶に新しいところ。ブンデスで彼を超えるインパクトを残せていない以上、彼らが帰ってきても通用するとは言い難いです。
ここまでをまとめると、、、
・登録枠に空きがなく、まずは獲得より放出が先となる
・スカッドが既にある程度完成されている
・ホームグロウンで魅力的な選手が非常に少ない
・冬は即戦力、若手は考えにくい
・高いクオリティを備えた選手は当然CL出場クラブに多い=CLでカップタイド
以上ののようなポイントが、状況を難しくしていると言えます。
そもそも、モウリーニョは既にスカッドは完成されており静かな冬になると以前にも発言しています。ルイスやマタのように「断りきれない程の高額のオファーが届き」、「選手自身が移籍を望んだ」場合にのみ放出が起り、獲得に動くことになります。
モウの静かな冬発言を裏付けるかのように、今冬は確実性のある報道が少ないです。昨年はマティッチとグアリンの報道が12月ごろから非常に盛んに行われていましたよね。今冬はそう言った報道が市場が開いた今現在ないと言っていいでしょう。
まとめると、注目すべき複数のポイントがあり、補強したいポジションは存在するものの、現在の状況では具体的に予測を立てることは難しいです。だからこそ、色々な報道を楽しみ、考える楽しみがあるとも言えます。トップチームレベルでの放出獲得共になし、も普通にあり得るんじゃないでしょうか。私は楽しみです。
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