2014年11月18日火曜日

11/16 Italy vs Croatia 試合後会見、コメント

ニコ・コヴァチ監督
「我々はほぼ90分イタリアを支配下に置くことができた。イタリアの守備は素晴らしく、我々にはチャンスがめったにやってこないことは分かっていた。私は満足しているが、若干悲しい気持ちもある。我々は勝つチャンスを逃したからだ。そして、後半の出来事。私は全ての人に、特にイタリアの方々に我々のサポーターの行ったことを謝罪するよ。」

「失望しているし不甲斐ない、なんと言ったらいいのか。クロアチア人はこんな人々ではないし、誠実で他国をリスペクトできるのがクロアチア人だ。もし何かを主張したいのなら、スタジアムの前でやらせなくては。スタジアムには家族や子供たちもいるのだ。」

「もちろんクロアチアは処分を受けるだろうが、勝ち点剥奪となる理由は皆無だ。」

「我々がプレーしたやり方は最高級のものに値した。試合を支配していたし、私はそれを望んでいたからそうした選手を起用した。イタリアがここまで深く守ってくるのは少し驚いたがね。モドリッチの負傷交代後も、ラキティッチを守備的な中盤まで下げコヴァチッチを入れることによって、我々には素晴らしいバックアップのプランがあることを示せた。」

「我々は正しい道を進んでいるし4試合で勝ち点10を得たことに満足しているが、まだ仕事は終わっていない。これらのパフォーマンスを繰り返さなくてはいけない。このまま健全な状態を保つことができれば、クロアチアには失敗する理由は全くないよ。依然としてイタリアとクロアチアがグループを勝ち抜く本命候補だろう。だが、まだブルガリアやノルウェーのことを考えると用心する必要があるね。」  (via hns-cff.hr)


以下、その他メディアより。
(Sportske NovostiIndex.hrVecernji ListGuardianなど)

ニコ・コヴァチ監督
「(モドリッチの怪我について)どの程度の怪我かまだ分かっていないが、医者に診てもらわなくてはならない。明日以降にならないとはっきりしたことは分からない。」

「我々のファンがしたことはもはやフットボールではない。今日、スタジアムには子供たちがいたんだ。本当にがっかりしている。」 ※サン・シーロには一万人の子供たちが招待されていた。

「これが最初ではない。責任を持って解決策を見つけてほしい。クロアチア人はこういった人たちではないはずだ。イタリアの人々には謝罪しなくてはならない。恥ずべきものだし、残念だ。」

「クロアチアはヨーロッパにおいて、そして世界中において評判を落としつつある。情けないし、恥ずかしいよ。」

「試合内容自体は良かった。我々がイタリアよりも勝ちに相応しいと思っている。率直に言うと、ホームでここまでイタリアが守備的にくるとは驚いた。想定外のことだった。」

「コヴァチッチはモドリッチの代役をパーフェクトにこなしてくれた。彼には満足しているよ。」

イヴァン・ペリシッチ
「何度か決定機があったんだよ。それが決まらなくて残念だ。ただ、試合を通していい仕事はできたと思っている。」

「クロアチアサポーターの全員がああいった人たちではない。ごく少数の、5%にすぎない人々だ。カメラに顔が残っているだろうし、二度とスタジアムに入れなくしてほしい。」

ドマゴイ・ヴィダ
「まずは我々の健闘を讃えたい。我々はイタリアを上回っていた。勝ち点1を得たのは満足いくものだ。勝ち点3が欲しかったけどね。」

「サンシーロに来てくれたサポーターに感謝だけはしようと思う。今日暴動を起こした人々にはもう二度とスタジアムに来てほしくない。問題を起こされるだけだ。」

「(ロヴレンを退けてのスタメン出場に)僕はいまいい状態にある。だかど、大事なのは誰がプレーするとかじゃなくてクロアチアが結果を出すことだよ。」

ルカ・モドリッチ
「(怪我をしてしまって)本当に残念だよ。この試合でもっとプレーしたかったしチームの助けになりたかった。でも、チームは僕無しでも素晴らしかったよ。」

「どうしてプレーを続けようとしたかって?出来る限りピッチでプレーし続けたかったからだよ。そう望んでいたんだけど…。」

イヴァン・ラキティッチ
「自分たちのプレーには満足しているし、勝てなくて残念。でも、これを続けていけばクロアチアはより良いチームになる。モドリッチは我々にとってすごく大きな存在だけど、今日は彼抜きでもよくやったと思うよ。」

イヴィツァ・オリッチ
「スタジアムは満員で、多くのファンがいた。完璧だった。だが、ほんの一握りのファンがすべてを破壊した。」

「僕が彼らに伝えたいのは、僕らはクロアチアのためにプレーしているということだ。」

マテオ・コヴァチッチ
「勝てなくて残念だ。試合中断は僕らにとって良くない時間だった。僕らが推していた時間帯だったからね。残念だ。中断を引き起こした人々がいるのが悲しい。僕にとって、こういう人はクロアチアのファンじゃないんだ。」

「サン・シーロで歓声をくれた人々に感謝したい。」

「(チームメイトのラノッキアとも対戦したことについて)彼は素晴らしい選手で、称賛の言葉以外かける言葉はないよ。以前から分かっていたけれども、タフな試合だった。イタリアはいい選手ばかりで、しかも戦術的策略に溢れた監督がいる。ただ、僕らも素晴らしいチームで雰囲気もいいよ。中盤では僕らが勝っていたと僕は思っている。」

マリオ・マンジュキッチ
「我々は良い試合をしたし満足できるものだっただろう。ただ、特にペリシッチのやつのような決定機をものにできなかったのが残念だ。中断?それについてのコメントは控えるよ。」

アンドレイ・クラマリッチ
「たぶん…僕はこの試合についてコメントすべきではないんじゃないかな。うーん…僕らはイタリアを上回っていたし勝ち点3に値したと思う。おかしなファンのせいで試合が中断して、試合がこんな終わり方になって残念だよ…。中断が僕らのリズムを途切れさせたし。」

「イタリア?僕たちがうまくやったのもあるけど、もう少しやると思っていたのは認めるよ。サン・シーロの雰囲気は素晴らしかった。ただ、来季僕がどのリーグでプレーするかは分からないよ。もうすぐ1月だ、どうなるだろうね。」

ゴラン・ヴラオヴィッチ(元クロアチア代表)
「彼らの行動がクロアチアサッカー協会に向けたものだとするなら、これは不満を表すにはベストな方法ではなかった。代表チームが苦しむだけだ。」

2014年11月8日土曜日

クロアチア代表招集(vsアルゼンチン、イタリア)、コヴァチ監督会見

現地時間11/12、11/16に行われる親善試合アルゼンチン戦(ロンドン)およびEURO2016グループステージイタリア戦(イタリア、サンシーロ)に向け33名が招集されました。

GK
ダニエル・スバシッチ(ASモナコ)
ロヴレ・カリニッチ(ハイドュク・スプリト)
イヴァン・ヴァルギッチ(リエカ)
DF
ダリヨ・スルナ(シャフタール・ドネツク)
ヴェドラン・チョルルカ(ロコモティフ・モスクワ)
デヤン・ロヴレン(リヴァプール)
ドマゴイ・ヴィダ(ディナモ・キエフ)
イヴァン・ストリニッチ(ドニエプル・ドニプロ)
ゴルドン・シルデンフェルド(パナシナイコス) ※11/9負傷により辞退
→マテイ・ミトロヴィッチ(リエカ) ※初召集、シルデンフェルドに代わって追加招集
シメ・ヴルサリコ(サッスオーロ) ※復帰
ティン・イェドヴァイ(レヴァークーゼン(ASローマ)) ※復帰
フルヴォイェ・ミリッチ(ロストフ)
マリン・レオヴァッツ(リエカ) ※初召集
マルコ・レシュコヴィッチ(リエカ)
イヴァン・トメチャク(リエカ)
MF
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
イヴァン・ラキティッチ(バルセロナ)
イヴァン・ペリシッチ(ウォルフスブルグ)
ダニエル・プラニッチ(パナシナイコス)
マルセロ・ブロゾヴィッチ(ディナモ・ザグレブ)
マテオ・コヴァチッチ(インテル)
アレン・ハリロヴィッチ(バルセロナ)
ミラン・バデリ(フィオレンティーナ) ※復帰
ドマゴイ・アントリッチ(ディナモ・ザグレブ)
マト・ヤヤロ(リエカ) ※初召集
マルコ・ログ(スプリト) ※初召集
FW
マリオ・マンジュキッチ(アトレティコ・マドリー)
イヴィツァ・オリッチ(ウォルフスブルグ)
アンドレイ・クラマリッチ(リエカ)
ニコラ・カリニッチ(ドニエプル・ドニプロ) ※復帰
ドゥイェ・チョップ(ディナモ・ザグレブ)
アンテ・レビッチ(ライプツイヒ(フィオレンティーナ)) ※復帰
アナス・シャルビーニ(リエカ)

コヴァチ監督の会見
「代表チームも親善試合を通して資金調達をしなくてはいけないんだ。アルゼンチンには最高の選手たちがいる、我々は真剣に立ち向かわなくてはいけない。だが、恐れる必要はない。アルゼンチンは我々にとって、こういった種の相手に対しどう立ち向かえばいいのかを見るためのチャレンジなんだ。この20名はクロアチア代表のBチームではなく、このメンバーのほとんどが既に代表トップチームのメンバーだ。」

「(主力をザグレブに残しロンドンへ行くことについて)基本的に、私は一度トレーニングから離れることになるだろう。我々は既に計画を用意しており、問題はないよ。我々のプライオリティはイタリア戦にある。この試合に向けて万全な準備をしたい。」

「イタリアは彼らのファンの前で最高の状態でいるだろう。アントニオ・コンテは代表チームでたくさんのアイデアを実践してきている。我々はそれに応えるべくできる全てを尽くす。より多くの勝ち点を積み重ねたいが、我々がブルガリアやイタリア、その他のチームを簡単に倒せると言うことはできない。しかし、我々は希望を持っているよ。チームの雰囲気は良く、サンシーロでそれを見せることができるだろうと思っている。」

「(リエカの選手が多く選ばれていることについて)ケクが監督になってから、彼らは素晴らしくそれはヨーロッパリーグでも同様に力を発揮している。リエカのプレイヤーはヨーロッパの偉大なクラブたちにも立ち向かうことができるんだ。」  (via hns-cff.hr)

「代表チームも親善試合を組むことで収益を得なくてはいけない。法人というものは資金を生み出す必要があり、例えばレアルマドリーがアジアやアメリカへのツアーを行うのもそのためだ。」 (via CroatiaWeek)

----------

今回、アルゼンチン戦のロンドン遠征からイタリア戦まで日数がないためコヴァチ監督は主力13名(太字の選手)はロンドンに連れて行かずザグレブに残し温存することに。残り20名でアルゼンチン戦に臨んだ後、10~12名に絞り込んだのち主力組に合流させイタリア戦に臨みます。そのために、33名と多めの招集となりました。

招集メンバー多めということで、多くの選手が代表に復帰。負傷から復帰したヴルサリコ、U21代表に優先されたイェドヴァイとレビッチに加えバデリとカリニッチがW杯後では初めて招集されました。これだけ多いと落選メンバーを探す方が難しく、パシャリッチ(MF、エルチェ)、ゼレニカ(GK、ロコモティーバ・ザグレブ)、ニコ・クラニチャール(MF、QPR)くらいでしょうか。

また、レオヴァッツ、ヤヤロ、ログが初召集。レオヴァッツはオーストリアとの2重国籍を持っている左サイドバック。クロアチアサッカー協会がFIFAに求めたクロアチアへの国籍変更が先日認められ招集となりました。左サイドバックはここ数年来クロアチアの懸案となっているポジションであり大きな期待がかかります。ヤヤロはかつてはU21代表キャプテンも務めたセントラルミッドフィルダー。右利きですが左脚も使えるので左サイドでもプレーできる選手です。ログは若干19歳でハリロヴィッチに続いて2番目に若い選手。スキル溢れる選手で相手をかわし自分でボールも運べてミドルも打てる組み立て屋。ドリブルでプレスをかわし、フリーになってスルーパスを出すプレーが得意です。

主力組13人からコヴァチッチが漏れたことが気になりました。代表ではクラマリッチにポジションを奪われ(そのクラマリッチは13人に選ばれる)、アルゼンチン相手に結果を出さなくてはならないでしょう。サンシーロに凱旋するためにも。また、インテルやミランなど多数クラブから関心を寄せられるクラマリッチにとってサンシーロでのイタリア戦は絶好の試金石になるはず。ここで結果を出せばさらに注目度も移籍金も上がるでしょう。

ロンドン遠征組20名はイタリア戦に生き残るためにアルゼンチン相手にどこまでやれるか。10~12名に絞り込まれるなかで、当確はGKどちらか1人、ヴルサリコ、コヴァチッチくらい。レオヴァッツの国籍変更でさらに激戦区となったレフトバックは特に注目かな。